あなたの原付も?「自賠責保険の重複」

 
今回は「自動車損害賠償責任保険」通称、自賠責保険の重複についてご紹介します。
 
自賠責保険は強制保険であり、加入しなければ運転してはいけないことが定められています。
 
これは被害者救済の側面を持った制度であり、任意の自動車保険に入らなかったとしても、被害に遭ってしまった方への賠償金を最低限補償しようとするものです
 
その自賠責保険が重複加入してしまった場合はどうなってしまうのでしょうか。
 
今回はそういった自賠責保険の重複について解説します。

 

自賠責保険は重複加入できてしまう 

自賠責保険 重複加入

自賠責保険は各損保会社が、自賠責共済は各共済団体が取り扱っています。
 
しかし、既存の自賠責保険が有効期間にあるにも関わらず他の自賠責保険に申し込んでしまった場合、なんと二重に加入ができてしまいます。

このため、自賠責保険は重複加入が起こりやすい保険と言えます。

 

また、重複加入しておけば補償が2倍になるのかと言えば、そうではありません。

 

自賠責保険は被害者救済のための制度ですから、先に加入していた1契約のみが有効となります。

 

こうした理由から、自分が自賠責保険にちゃんと加入しているかどうかは確かめておかなければいけないのです。

 

原付はさらに重複しやすい!

それでも、四輪自動車の場合はそこまで重複加入は多発しませんが、原付では非常によく発生しています。


原付は個人間で譲渡したり、小さな町のバイク屋さんが売買したりしていることも多くあります。

 

そういった販売方法では、自賠責保険に加入しているかどうかを、きちんと購入者側に伝えないまま売却している場合があるんです。


購入者側は、すでに自賠責保険に入っているかどうかを伝えられなければ、知る方法もありません。

 

当然、自賠責保険に入らなければいけないことだけは知っていますので、新規に自賠責保険を契約してしまいます。

 

このようなパターンで、原付は自賠責保険の重複が頻繁に発生しています。


かくいう筆者も、大学時代に友人から譲り受けた原付を運転する前に、自賠責保険に加入しておかなければと思い急いで手続きをしたところ、重複加入であることが後から判明しました。


保険料は保険会社ごとに大きく変わるようなことはありませんが、1年間で約2~3万を多く支払ってしまうのはかなりの痛手です。


期間を過ぎていない分については保険料の返金をしてくれますが、それでも払い過ぎはもったいないということは間違いないでしょう。

 

重複加入に気が付いたらどうすればよいか

自賠責保険の重複に気が付いたら、速やかに保険会社へ連絡しましょう。 自賠責保険は強制保険のため、解約がしにくくなっています。
 
例えば、保険代理店などでは解約はできず、引き受け元である保険会社の営業店に解約したい旨を伝えなければいけません。

 

この時、事前に電話をして必要な書類を指示してもらうことをお勧めします。自賠責保険の証明書等が必要になると思いますので予め準備をしてから営業店へ行きましょう 。

 
また、保険料の返金については営業店から説明があると思いますが、営業店の方からなかなか説明がない場合は「保険料を返金して欲しいのですが」ときちんと自分から伝えるようにしましょう。
 

まとめ

今回の記事では、自賠責保険の重複について説明しました。

自賠責保険は、強制保険のため加入が漏れるということはあまりありませんが、ここまで説明してきたような重複加入が発生しやすい保険であると言えます。

 

また、どんな自動車でも起こりうることですが、特に起こりやすいのは原付ですね。

  

年間、約2~3万円の保険料を多く支払うことはもったいないので、皆様もお持ちの自動車や原付が重複加入状態にないか今一度確認をしてみることをお勧めします。