交通事故でよく耳にする自賠責保険。
ただ、通常、交通事故が起こった時、対応の窓口となるのは任意保険会社で、賠償金の支払も任意保険会社から行われるため、自賠責保険を使う場面は多くありません。
それでは、どういう場合に自賠責保険を使うのでしょうか?
今日は自賠責保険の使い方をご紹介しようと思います。
1.相手方が任意保険に未加入の場合
まず、相手方が任意保険に未加入だった場合です。
相手方がバイクの場合、特に任意保険に加入していないケースが多いです。
この場合、あくまでも相手方に支払を求め、場合によっては訴訟を起こし、相手方の財産に強制執行をかける、というやり方もあります。
しかし、相手方に十分な財産があり、かつ、財産も分かっているというレアケースならともかく、そういうケースは多くありません。
相手方が任意保険に未加入の場合には、相手が加入する自賠責保険会社に対し、自賠責保険金の支払を求めることが確実です。
相手方が加入する自賠責保険会社は交通事故証明書を見ればわかるようになっています。
2.自分の過失が大きい場合
自分の過失が大きい場合、自賠責保険から支払を受けた方が、多くのお金を受け取れる場合があります。
その理由は、自賠責保険は、過失によって減額できる限度が決まっているからです。
自賠責保険には、治療費等に関する「傷害部分」と後遺障害に関する「後遺障害部分」がありますが、「傷害部分」については最大でも2割、「後遺障害部分」については最大でも5割までと上限が決まっています。
したがって、極端な例でいえば、自分自身の過失が9割あって、後遺障害等級はなしという場合には、ほぼ間違いなく、自賠責保険会社から自賠責保険金をもらった方が、もらえるお金は多くなります。
3.一括が拒否された場合・一括が打ち切られた場合
事故の相手方が加入する任意保険会社が、治療費や休業損害などの立て替え払いをすることを「一括」といいます。
自分自身が交通事故の「被害者」である場合には、大体、相手方が加入する任意保険会社により「一括」がされます。
他方、自分自身が交通事故の「加害者」である場合、相手方が加入する任意保険会社から「一括」を拒否される場合があります。
また、通院の途中で「一括」を打ち切られる場合もあります。
この場合、通常、健康保険を使って通院することになりますが、健康保険でも3割は自己負担ですから、通院が続くと生活が苦しくなります。
その場合には、自賠責保険の被害者請求という形で、自分が負担した治療費に相当する保険金を、相手方が加入する自賠責保険会社に請求することができます。
これは自賠責保険の「傷害部分」の請求となりますが、これは「ほぼ」無条件で120万円まで出ますから、しっかり資料を揃えて請求すれば、自分が立て替えた分を取り戻すことが期待できます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
自賠責保険って意外と使えるなー、と思っていただけたら幸いです。