任意保険基準より弁護士基準の方が慰謝料相場は高い

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前回は、任意保険は被害者の慰謝料請求はしてくれないという内容で記事を公開しました。

 

任意保険基準より弁護士基準の方が慰謝料相場は高い

任意保険基準よりも弁護士基準の方が慰謝料相場は高いです。
では、具体的にどれくらい差がでるのでしょうか。
後遺障害慰謝料の場合を見てみましょう。

 

任意保険基準については、各保険会社で異なりますので、任意保険基準の後遺障害慰謝料は明らかにされていません。
自賠責保険基準よりも少しだけ高額になっているくらいであると考えられています。

 

旧任意保険基準という平成10年まで各保険会社で一律利用されていた基準を参照してみましょう。

 

この基準によれば、後遺障害慰謝料は第1級で1300万円となっています。
現在ではたしかに旧任意保険基準を使用する必要はなく、各保険会社が自由に自社の基準を設定していますが、この旧基準から大きく逸脱することはないと考えられます。

 

それでは裁判基準の後遺障害慰謝料はどうでしょうか。
裁判基準の後遺障害慰謝料は、赤い本によると第1級で2800万円です。

 

このように、後遺障害慰謝料の額を例に見てみても、任意保険基準と弁護士基準には1000万円以上の差がでていることが分かると思います。

 

この一例からも分かるとおり、被害者の方は任意保険基準よりも弁護士基準を目指した方が、受け取れる損害賠償金が増えることになります。

 

そして、弁護士基準が適用されるために最も簡単な方法は何でしょう。
それは、弁護士に依頼することです。

 

弁護士に依頼することで、被害者の方には様々なメリットがありますので、次にそれを解説していきます。

 

交通事故の示談交渉を弁護士に頼むメリット

交通事故の被害者が弁護士に依頼するメリットは何でしょうか。
具体的に解説していきます。

 

被害者と弁護士の利害関係が一致していること

まず、交通事故の被害者と弁護士とは、利害が一致することが大きなメリットです。
弁護士の報酬は、依頼者が回復できる経済的利益の内容に応じて決定されます。

この点、保険会社は被害者に保険金を支払う側ですので、被害者と保険会社は利害関係が対立する関係にあります。

 

しかし弁護士は、被害者が回収する金銭が多ければ多いほど弁護士報酬が増えるという関係にあるため、被害者と弁護士の利害関係は完全に一致しています

そのため、弁護士は被害者が損害賠償請求できる金額を最大化するために、全力を尽くしてくれます。

 

慰謝料について高額な基準が適用されること

繰り返し説明しているように弁護士に依頼することで、被害者の慰謝料算定の基準には、3つの基準の中で最も高額な弁護士基準が適用できるようになります。

そのため、被害者が回収できる損害賠償金を最大化できる可能性が高いという点で、被害者にメリットが大きいと言えるでしょう。

 

示談交渉を依頼するだけでも示談金が増額する可能性があること

裁判手続きで弁護士基準が適用される以外にも、弁護士に依頼することで示談金が増額する可能性があります。

被害者本人が保険会社と交渉しても、なかなか示談金が上がることはありません。
長期にわたり粘り強い交渉が必要になるでしょう。
しかし、交通事故に強い弁護士が被害者の代理人として交渉を始めると、途端に示談金が増額される可能性があります

なぜなら、保険会社としては被害者と示談交渉している段階ではただ増額を拒否していればいいだけですが、弁護士が介入した場合に拒絶し続けると、裁判手続に移行して弁護士基準での賠償を命じられる可能性があるからです。

そこで、保険会社としても弁護士が代理人についたときには、早期に示談金を増額して示談を成立させることに積極的になる動機があります。

 

まとめ

交通事故に遭って弁護士に依頼仕様とする場合には「弁護士費用特約」を利用することで、弁護士費用の被害者の負担を実質的に0円にすることができます。

 

これは保険会社が、最大300万円まで弁護士費用を被害者にかわって負担してくれるという制度です。
保険会社との交渉には専門的な知識も必要になってきますから、納得いく解決を導くためにもまずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

 

以上